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コラム

思いつきは大事ですし、それを人に話すことも否定するわけではありません。しかし、思いつきは所詮思いつきで、決して提案などと呼べるものじゃないってこと、これは知っておくべきです。
思いつきに対して現実的な検討を加え、実践できるアイデアとして取りまとめてこそ、はじめて「案」と呼べるものが出来上がります。この「案」を提出すること、それを提案と呼ぶわけで、単に思いつきをくっちゃべるだけってのとは、まったく違うものなのです。
また、基本的に提案を行う際は、その回答として上司に期待するものは「イエスかノー」だけであるべきと意識しなくてはいけません。つまり「実行してよい」のか「実行しちゃダメ」なのかの二択だけ。あくまでも上司に求めるのは、最終的な勝算の判断だけなのです。なので提案するためには、その勝算を図るために必要な検討材料を、全部こちらで揃えておかなきゃいけません。飛んでくるであろう質問も、あらかじめシミュレートして回答を用意しておく必要があるでしょう。
そこまでやって、はじめて「提案した」と言えるのです。
「そんなんじゃ上司がいる意味ないじゃないか」
そんな風に思った人は、その考え方こそが、上司に否定される一番の原因だと知るべしなのです。

教訓
提案と思いつきの違いすらもわからないアナタ
否定される理由は、相手ではなく自分にこそあるのだと知るべし

やれやれ困ったバグだらけ
社内開発で、とある画像処理アプリケーションを担当していた時の話。ウチの会社には、そういう画像処理に特化した、コンポーネントのライセンス事業みたいなもんがありまして、至極当然のこととして、この開発はそちらの部署と共同で開発作業を進めることになりました。
ところがですね、その部署の担当さんってのが、かなり「イケてない」人でありまして、まぁ開発スケジュールは守らないわ、やってもいない試験をやったと嘘ついてモノを提供してくるわと、さんざんなことをしてくれるお方だったのです。当然出てくるモノはバグだらけで使い物になりません。したがってこちらの作業も滞りっぱなし。すでに当初営業と約束していたリリース日ははるか過去の話となり、さぁいったいいつになったらできるんですかと針のムシロな会議が続きます。
何より、このプロジェクトが終わったら退職しようとか思ってたもんですからねえ、正直困ったもんですよ。あ~あぁ、オレっていつになったら退職することができんのかなぁと、喫煙所から空を見上げてはため息をつく、そんな日々が続いておりました。
さて、毎度毎度「今度こそは大丈夫」とか言って、バグだらけのモノをいじりまわさせられんのにも、いいかげん堪忍袋の緒が切れてまいりました。ほんと毎回懲りて試験されてないまま出てくるもんだから、「こっちで軽く試験してみる」「ボロボロとバグが出る」「使い物にならないと突っ返す」の繰り返しなんですよね。ですから当然「提供されたモジュールを組み込む」手間と、「試験する」手間がその都度発生するわけで、無駄なことこの上なしなのです。
そんなわけで「いいかげんにしろよ、いったいお前んとこはどんな試験やって今度は大丈夫とかぬかしてんだコノヤロウ」と、詳細な試験項目にまでこちらが首を突っ込むことになりました。
もうそっから指導してやんないと自力じゃどうもできないんだろ? わかったよ、徹底して指導してやるよ、そう開き直った私。いい年した大人のくせに、まったく手間をかけんでくださいなのですよ。