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コラム

【標準的な解決法をいたずらに求め続ける】
エンジニアの周囲にはさまざまな開発方法論や、各社の開発本があふれており、それらを理解し、忠実に遂行できる者が優れたエンジニアだと評価されます。こうした背景もあってか、エンジニアに問題解決の研修を実施すると、問題を解決する手順を教えてください」「どうやったら答えにたどり着けますか」等、やり方を問われることが多いです。しかし、経営課題においては解くための手順書はなく、標準プロセスも、準プロセスも存在してません。あえて挙げるなら「7ステップ」くらいですが、これも一定段階までの方向性を示すにとどまるものです。
また、エンジニアはマネジメントや顧客と議論する際には、事業的な物をはっきり言うことをためらいがちです。開発投資や運用コストを効率化するアイデアはいくらでも考えつくのですが、その新しい技術がどれだけの売上・収益向上につながるのかを計算する術を知らない人が多いのも問題でしょう。
前提として、問題の解決を純粋にしましょう。Googleの検索結果に一喜一憂せず、「7ステップ」を着実に進めてください。
その過程で、ぜひ具体的に実践したいのが、アウトプットイメージの合意からおさめることです。課題解決に向けて、インタビュー、アンケート、文献調査、さまざまなリサーチを行うことになるでしょうが、それらを通じてどのようなアウトプットを期待しているのかを、まず依頼者と確認してください。ホワイトボードに一緒に描いてみる、A4コピー紙に書いてみる、など手段は問いません。
「アンケート等の実施前に、アウトプットなど書けないのではないか」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「仮説志向」を思い出してください。例えば「きっと、10代の世代は 40代に比べて、購買意思決定における金額の要素が数割高いはずだ」という仮説があれば、年代の軸と購買判断要素の軸が、アンケートに必要だとわかるでしょう。

【失敗イメージばかりが先行する】
【数字の持つインパクトを上手に利用する】
「どうしたらよいか?」という手順を調べても答えが得られないにもかかわらず、しっかり者のエンジニアほど先例を探そうと努力する中では、往々にして失敗例を見つけてしまいがちです。すると、「自身のプロジェクトも失敗するのはないか」という不安にかられ、真面目なエンジニアはそのような失敗例をマネジメントや顧客に報告し、「まずやってみよう」と促されても、つい「やめるべきでは?」という提言に走ってしまうのです。失敗を恐れて時間ばかりすぎていき、競合に対して遅れをとった結果、最悪の場合は「アイデアは私の方が早かったのに・・・・・・」という、むなしい言葉だけが響くことになります。
また、経営者はみな数字を重視します。ですから、技術の採用や要件の変更など、あらゆる意思決定に定量的インパクトを与えるクセをつけましょう。「この要件変更を受け入れれば、年間OO人/時間の節約になります。そのためには開発コスト○○万円が必要です」という計算ができれば、合理的な提案が可能になるでしょう。