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コラム

自分のせいじゃないと考える人に、少し考えてみて欲しいのが「では誰のせいですか?」ということです。自分のせいじゃないと言うからには、ほかに原因を作った人がいるわけですよね。それは誰か、これをまずちゃんと考えて欲しいのです。
でもね、「誰々のせいだから、ボクは悪くありません」なんて使い方をするために考えてくれと言っているのではありません。「誰の何が原因で、現在の状況を生み出すことになったのか」ということを考えるために、単に「自分のせいじゃない」と逃げるだけじゃなくて、では誰のせいなのかを考えなさいと言っているのです。そして、問題発生の原因を正確に捉えて欲しいのです。
誰の何が原因でこんな状況にあるのか。誰のせいだとか言って騒ぐことに意味はありませんが、かといって問題の発生源をうやむやにしてもいけません。問題解決を図るには、まず問題がどこにあったのか、これをはっきりさせる必要があるわけで、そうじゃないと前に進みようがないのです。
ところが自己保身を図って騒ぎたてるなんてのは、肝心の 題解決まで邪魔することになるのです。悪くないもんと騒ぐほど、実は己に滅びの呪文をかけてしまっているのです。

教訓
今何をなすべきか、それを考えるのに自己保身は邪魔なだけ
目の前の問題解決を手伝えないものに、逃げの上を吐く資格なしと知るべし

「でも」がログセの新入社員
「そうじゃないだろう!」
また今日も隣の部署からBさんの怒る声が聞こえてきます。いや、怒るとは言ってもその声色からは努めて柔らかく、なんとか微笑みながらたしなめようと努力している様子が窺えます。しかし、どうしても隠せない声の震えが、Bさんの怒りをあらわにしてしまっているのでした。
「え、でも」
それに答える声もいつもと同じ。巨人の桑田投手によく似た顔の、フケ顔新入社員Nくんです。
「でもじゃないよ~、なんでまた同じことすんのよ~」
「いや、でも」
「だ~か~ら~、「でも」じゃないんだって」
はっきり言って漫才です。
そしてこの漫才は、Nくんが配属されてきてからの一ヶ月間、ずーっとは日々欠かすことなく続いていたのでした。
BさんはこのNくんが配属されてきて以来、コンビュータの基礎からプログラミングの基礎までを、教育担当として事細かに教えるのが役目となっていました。自分もかつてこの人に教わったので知っているのですが、変数や配列を図で描きあらわすことの重要性を説き、実際にそれを実践しながら教えてくれるBさんは、かなりわかりやすい優れた講師だったのです。
そのBさんが大きな声で毎日怒っている、しかも相手は「でもでも」と納得できていない。こりゃどうしたことかいなと思いますわね。
そんなわけで、ついついヤジ馬根性が抑えきれずに、聞き耳をたてたりなんかしてしまうのでした。