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コラム

「無理ですか?」
「いや、できると思う….こともないではないですが、う~んどうでしょう？」
だからそれはどっちやねん!思わずそう突っ込みを入れたくなるくらい、のらりくらりと明言を避けるSさん
そしてそんな光景に、いつかお客さまが怒り出してしまうんじゃないかとハラハラする私。二時間にわたる会議が終了する頃には、そうした精神的ストレスからか、心底疲れ果ててしまったのでありました。
進んでいいの? 止まればいいの? それとも注意の印なの?
「それでは、今回出た話で仕様一覧みたいなのを作りつつ、先方の予算内へ話を誘導していくって段取りでいいですかね?」
「ん?」
「いや、今後の話なんですけど」
会議の後、会社へ戻る道すがら、私はSさんに今後の方向性について確認していました。今回の会議であらかた段取りは読めてきましたので、正直できれば次回からSさんには来てもらいたくないなと考えた私。そこで、段取りだけを確認した後は、次回から自分一人でそのように動かせて欲しいとお願いするつもりでいたのです。なんたってこのままSさんに任せてちゃ、絶対お客さま怒り出しますからね。自分がフォローに回ろうと思ったって、上役として座っていられちゃ、お客さまだってそちらの意見を優先して聞きますから、どうにも限界が来ちゃいます。結論として「居ないのが一番」と思ったわけです。
「う~ん、そうだね。それでいいのかな。う~ん、いや、どうなのかなぁ」
どこまでも自信のないSさんです。自分の判断でそのまま進んでよいものなのか、それともちょっと待てなのか。Sさんの態度からは結局何も見えてこないのでありました。