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コラム

バックをもらったほうが、結果的に工数が少なく済むことは多いので、最終成果物が合意できれば、あとはその「仮説」による成果物が成果物とするための設計をするのみです。成果物に紐づく形でなされていれば、抜け漏れがないだけでなく、課題に変化が誰にも対応しやすくなります。
それからマイルストーンを定め、定例会議や中間報告会を設置します。
「とりあえず折り返し時期だから中間報告を入れよう」「定例は毎週おこうか?」といった発想は、アウトプット志向には必要ありません。もちろん、顧客を安心させるために定期的に情報交換することは必要ですが、「このタイミングでプロジェクトオーナーに合意をとらないと、その後に取り掛かれない」「1カ月後には8割方の内容は完成するはずだから、その時に中間報告を行いインプットをもらおう」といった発想が大切です。
さらにそこから、毎日のゴール(例えば「今日は何をすれば帰っていいのか」)までを設計すると、よりスムーズなプロジェクト運営が可能になります。
また、メンバー一人ひとりが合意すると、各人への作業割り振りが明確になり、共同作業から個人作業へレイヤをシフトできるため、共同作業における油断から来る個人の手抜きという思念事項も取り除くことができます。
なお、こうした毎日のゴール設定は、戦略コンサルタントのマネジメントについても有効です。一般的にコンサルタントは勤労への意欲が高いためか「体力の限界が来るまで/終電まで働かねば」と考えることが往々にしてあり、「みんなが帰るまで帰れない」日本の悪習に周囲のメンバーが感化されていることと相まって、チームを崩壊へ導く危険な存在になってしまうことも多々あります。そうした人にも、毎朝「今日はこのゴールを達成したら帰りなさい」と通告・合意することで、パフォーマンスが高いコンサルタントほど帰宅を早めて、プロジェクト全体を効率化することが可能になります。

●ゴールは日々の視点まで細分化する
事業戦略策定のように、方法論がいまだ世の中に存在しないプロジェクトでは特に、早期からアウトプットイメージまで顧客・メンバーと共有しないと、プロジェクトが炎上しがちです。
そこで、最終的なアウトプットだけでなく、3カ月後、2カ月後、1カ月後時点のアウトブット、そして3週間後、2週間後、1週間後、さらに今週末や曜日ごとのアウトブットまで合意していきます。その上で、「ゴールを、メンバー一人ひとりに自ら宣言させる」のです。