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コラム

上司が客観的に判断し、無理にでも本来の力を引き出してやらねばなりません。そのためには厳しい意見も言わなくちゃダメでしょう。叱責も必要となるでしょう。怠け心など瞬時に見抜かなきゃサボり癖が発症してしまいます。「やさしい言葉」だけじゃ済まない現実がそこにはあるのです。
こうした厳しさは実践する方もしんどいものです。しかし｢ごまかせないぞ、がんばらなきゃ」と感じさせ、程良い緊張感を保たせる。それが部下に成長を促すための、欠かせない大事な良薬なのです。
ピリピリした緊張感というのもいいですが、いついかなる時もそんなだと、はっきり言って疲れますよね。やはり人間「ふうっ」と力を抜ける場所ってのは欲しいものです。それは人間関係だって同じことで、いつも緊張して話さなきゃいけない相手なんて、正直敬遠したくなります。
上司という立場上、そこは厳しさが欠かせません。どうしても緊張感を強いる場面も出てきます。しかし、それだけで終わってしまっては、それは単に「気難しい人」でしかなく、敬遠される人になっちゃいます。では厳しさをひっこめて、楽しくお仕事できるよう努めますか? それもまた違いますね、お仕事はお仕事、きっちり緊張感を持ってやってもらわなきゃ困ります。
「そもそも仕事がちゃんとできてるならそれでいいじゃないか」
そう割り切る方法もありますが、「よき理解者たる上司」を目指すなら、やはり不足が出てきます。一人ってものは、公私の両面が誰にだってあるものです。この中の、特に建前が大部分を占める公の部分、お仕事ってのはこの部分でやるわけですね。
ですから表面上はうまく回っているように見えたって、建前を取っ払った本音の部分では、実際のところどんな案配だかわかったもんじゃありません。やはり私の部分、本音で気さくに話してもらえる部分を持たなければ、大事なシグナルを見逃してしまうことになるのです。
そこで、公私の使い分けが大事になってきます。つまり公人としては厳しく、私人としては親しく、そうしたメリハリを持たせることで、厳しさと気さくさを両立させるというわけです。公私両面を使って、部下を既しく育てつつガス抜きもしてあげる。そんな器用さが、時に求められてくるのです。